イモリを育てる 2024年の活動
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始動!「いもりの里」事業

  研究・教育用アカハライモリの大規模養殖/谷津田・里山環境の復元の試み「いもりの里」事業が茨城県取手市で始動しました。 

[背景と経緯]
  里山に囲まれた谷合いの湿地(谷津田)は、かつては水田として利用されていましたが、農機具の導入が困難な上、絞り水(冷たい湧水)のため稲の生育に適さず、多くが耕作放棄地となっています。近年、谷津田は絶滅を免れた希少生物の隠れ家として注目されるようになり、コメ生産の場からサンクチュアリへとその位置づけが変わりつつあります。しかし、産業廃棄物の不法投棄は止まず、埋め立てによる駐車場/宅地化の危険にもさらされています。こうした現状の中、都市行政や地域住民は、これを如何に防ぎ、如何にして谷津田・里山の自然を『地域の宝』として復元し次世代に継承していくか、これらの課題の解決に向け方途を模索しています。茨城県取手市も例外ではありません。取手市には貝塚地区と高井地区に広大(24ha超)な谷津田・里山があります。
  井守(イモリ)は、谷津田に生きる水棲動物の代表であり、生命科学の教育や研究において極めて有用な実験動物です。しかし、生息数は減少し、2006年に準絶滅危惧種として登録されました。このため、如何にして今後研究・教育用イモリを安定的に確保するかが緊急の課題となりました。イモリネットワークは、課題解決に向けてイモリの保護・保全活動を開始するとともに、研究・教育用資源化(バイオリソース化)に向けて野外での大規模養殖の可能性を模索し始めました。
  イモリネットワーク・筑波大グループは2007年から取手市・NPO法人・次世代教育センターと連携し、イモリを題材にした生命環境科学教育「いのちの話」を行ってきました。その縁もあり、取手市に研究・教育用イモリの養殖を前提とした谷津田・里山の復元・維持構想(仮称「いもりの里」構想)を提案いたしました。すなわち、基盤整備以前(昭和40年代)の谷津田・里山環境を復元し、  そこで研究・教育用アカハライモリ(Cynops pyrrhogaster)を養殖するという構想です。
近年、谷津田・里山の保護・保全の取り組みが広がりを見せ、かつての動物(メダカ、ゲンゴロウ、ホタル、タガメ、ドジョウなど)も水辺に戻りつつありますが、残念ながらイモリの姿はありません。取手市でも未だイモリの姿は確認されておらず、一方でアメリカザリガニなど特定外来生物による生物相の貧困化が進んでいます。すなわち、イモリを養殖するとは、こうした悪条件の中、上質の自然環境を人力で復元する試みに他なりません。これには、我々学術サイドの知恵と経験、地域住民・ボランティア、行政の連携・協力が不可欠です。
  我々は2度の住民説明会と市民公開講座「井守から見る生命の不思議(2009年2月21日)(筑波大学・大学院生命環境科学研究科・研究プロジェクト経費による支援)」を開催しました。そして、住民・地権者の協力の下、事業計画案も定まり、2009年10月28日に取手市に住民協議会「いもりの里協議会」が設置され、計画がいよいよ始動しました。
  なお、イモリ養殖池事業は文部科学省・科学研究費補助金(21300150; 24240062)、筑波大学・社会貢献プロジェクト(平成21年度〜)、取手市一般公募補助事業(平成22年度〜)等において支援されております。

 いもりの里の2024年度、年間行事予定


予告: 11月17日(日) イベント「デイキャンプ」を開催します。
参加希望の方は、筑波大学・生命環境系・再生生理学研究室(chichiba@biol.tsukuba.ac.jp)までお知らせください。




10月20日(日) イベント「収穫祭」を開催しました。 
みんなで芋ほりを楽しみました。
筑波大学の大学院生の皆さんとアカハライモリの生息調査を行いました。
いもりの里親さんにアカハライモリ(いもりの里の系統:Toride-line)の幼生や幼体を譲渡いたしました。

 参加者
 ・一般       23名(大人15名・子供8名)
 ・市民ボランティア 3名
 ・地元       2名
 ・大学       5名
 ・事務局      1名
  合計       34名


   


8月 6日(日) イモリの幼生を200匹、飼育カゴに入れました。
 カゴで飼育していたイモリについては、変態間際の個体が一匹だけ残っていましたが、他はすべて変態して出ていっていました。 


9月30日(月) いもりの里の様子(報告:山田さん)

イノシシに荒らされていました。幸い畔や橋はそれほど被害は受けていません。
穴掘りの程度や糞の大きさからみてそれほど大きな個体ではないとおもわれます。

アライグマが2頭、罠に掛かっていました。


9月25日(水) 令和5年度 筑波大学社会貢献プロジェクト活動報告会で報告しました。

「いもりの里」をモデル拠点とした谷津田・里山の復元・維持管理ネットワークの継続的発展 2023
 報告者・プロジェクト代表:丸尾 文昭(生命環境系)



9月15日(日) イベント「稲刈り」を開催しました。 

 参加者
 ・一般       10名(子ども 3名 / 大人 7名)
 ・市民ボランティア  3名
 ・地元        3名
 ・市役所       4名
 ・大学        2名
 ・事務局       1名
  合計       23名




8月 6日(日) イモリの幼生を200匹、飼育カゴに入れました。
 カゴで飼育していたイモリについては、変態間際の個体が一匹だけ残っていましたが、他はすべて変態して出ていっていました。 




7月14日(日) イベント「星空の下の科学教室」を開催しました。 
**雨天のため、戸頭公民館で講演のみの開催になりました**  

 「ちょっと怖いけど面白い! ヘビとカエルと毒のお話」
 澤田 聖人 先生(筑波大学 生命環境系)

 参加者
 ・一般       14名(子ども 6名 / 大人 8名)
 ・市民ボランティア  2名
 ・地元        2名
 ・大学       15名
 ・事務局       1名
  合計       34名

一般参加者もたくさん来てくれて、大学生もたくさん参加して、賑やかな充実した講演会になりました。




6月16日(日) イベント「土壌生物観察会」を開催しました。 
 
   参加者
 ・一般       4名(子ども 1名 / 大人 3名)
 ・市民ボランティア  2名
 ・地元        2名
 ・大学        5名
 ・事務局       欠
  合計       13名

 
 

 立派な雄イモリが見つかりました。


5月26日(日) イベント「田植え」を開催しました。 
 
   参加者
 ・一般       8名(子ども 3名 / 大人 5名)
 ・市民ボランティア  3名
 ・地元        5名
 ・市役所       4名
 ・大学        6名
 ・事務局       欠
  合計       26名

   

イモリのメスが1匹、見つかりました。5月12日の個体とは別でした。



5月 12日(日)イベント「どろんこ田んぼ運動会」は中止になりました。

BSテレ東の撮影がありました。 


飼育カゴの付近で、
大きなイモリが見つかりました。
メス1匹とオス2匹。

幼生20匹を飼育カゴに入れました。



5月 5日(日) 
 
 春の風景を少々お送りします。

 今冬もイノシシから甚大な被害を被ったいもりの里ですが
 サラサヤンマは無事に羽化してくれました。
 今ハルジオンの花は真っ盛りです。
 マムシグサもたくさん見られます。

 山田




4月21日(日) イベント「草餅づくり」を開催しました

 参加者
 ・一般       14名(子ども 4名 / 大人 10名)
 ・市民ボランティア  2名
 ・地元        5名
 ・大学        2名
 ・事務局       1名
  合計       24名

 
   

〇 用水路でイモリが見つかりました。写真の個体はオスです。逃がしてしまいましたがメスも用水路にきていました。



3月23日(土)

 イモリの幼生150匹を飼育カゴに入れました。



3月17日(日) イベント「デイキャンプ」を開催しました

 参加者
 ・一般       10名(子ども 4名 / 大人 6名)
 ・市民ボランティア  2名
 ・地元        1名
 ・大学        2名
 ・事務局       1名
  合計       16名

〇 シモタ農芸さまで収穫体験をさせていただきました(ありがとうございました!)

〇 収穫させていただいたお野菜でピザ、ポトフやサラダなどをつくりました。とてもおいしかったです。

〇 筑波大でいただいた卵が孵化しました。

〇 イモリの飼育場の水路および飼育カゴを整備しました。



2月18日(日) イベント「イモリの学習会」を筑波大学で開催しました


 参加者
 ・一般       12名(子ども 4名 / 大人 8名)
 ・市民ボランティア  3名
 ・地元        2名
 ・大学       10名
 ・事務局       1名
  合計       28名




1月9日(火) 山田さんの報告


畔が壊れるほどではありませんがかなりの範囲が掘り返されていました(添付写真参照)。
アライグマも健在のようです。