イモリを育てる 2016年の活動 (最新の活動はこちら
| 2009〜2010 |   2011   | 2012 | 2013 | 20142015 | 2016 |2017201820192020202120222023 | 2024 |


始動!「いもりの里」事業

  研究・教育用アカハライモリの大規模養殖/谷津田・里山環境の復元の試み「いもりの里」事業が茨城県取手市で始動しました。 

[背景と経緯]
  里山に囲まれた谷合いの湿地(谷津田)は、かつては水田として利用されていましたが、農機具の導入が困難な上、絞り水(冷たい湧水)のため稲の生育に適さず、多くが耕作放棄地となっています。近年、谷津田は絶滅を免れた希少生物の隠れ家として注目されるようになり、コメ生産の場からサンクチュアリへとその位置づけが変わりつつあります。しかし、産業廃棄物の不法投棄は止まず、埋め立てによる駐車場/宅地化の危険にもさらされています。こうした現状の中、都市行政や地域住民は、これを如何に防ぎ、如何にして谷津田・里山の自然を『地域の宝』として復元し次世代に継承していくか、これらの課題の解決に向け方途を模索しています。茨城県取手市も例外ではありません。取手市には貝塚地区と高井地区に広大(24ha超)な谷津田・里山があります。
  井守(イモリ)は、谷津田に生きる水棲動物の代表であり、生命科学の教育や研究において極めて有用な実験動物です。しかし、生息数は減少し、2006年に準絶滅危惧種として登録されました。このため、如何にして今後研究・教育用イモリを安定的に確保するかが緊急の課題となりました。イモリネットワークは、課題解決に向けてイモリの保護・保全活動を開始するとともに、研究・教育用資源化(バイオリソース化)に向けて野外での大規模養殖の可能性を模索し始めました。
  イモリネットワーク・筑波大グループは2007年から取手市・NPO法人・次世代教育センターと連携し、イモリを題材にした生命環境科学教育「いのちの話」を行ってきました。その縁もあり、取手市に研究・教育用イモリの養殖を前提とした谷津田・里山の復元・維持構想(仮称「いもりの里」構想)を提案いたしました。すなわち、基盤整備以前(昭和40年代)の谷津田・里山環境を復元し、  そこで研究・教育用アカハライモリ(Cynops pyrrhogaster)を養殖するという構想です。
近年、谷津田・里山の保護・保全の取り組みが広がりを見せ、かつての動物(メダカ、ゲンゴロウ、ホタル、タガメ、ドジョウなど)も水辺に戻りつつありますが、残念ながらイモリの姿はありません。取手市でも未だイモリの姿は確認されておらず、一方でアメリカザリガニなど特定外来生物による生物相の貧困化が進んでいます。すなわち、イモリを養殖するとは、こうした悪条件の中、上質の自然環境を人力で復元する試みに他なりません。これには、我々学術サイドの知恵と経験、地域住民・ボランティア、行政の連携・協力が不可欠です。
  我々は2度の住民説明会と市民公開講座「井守から見る生命の不思議(2009年2月21日)(筑波大学・大学院生命環境科学研究科・研究プロジェクト経費による支援)」を開催しました。そして、住民・地権者の協力の下、事業計画案も定まり、2009年10月28日に取手市に住民協議会「いもりの里協議会」が設置され、計画がいよいよ始動しました。
  なお、イモリ養殖池事業は文部科学省・科学研究費補助金(21300150; 24240062)、筑波大学・社会貢献プロジェクト(平成21年度〜)、取手市一般公募補助事業(平成22年度〜)等において支援されております。

12月17日(土)イベント「クリスマスリースづくり」を開催しました。

参加者:
  一般          14人(小人:8人  大人:6人)
  市民ボランティア    3人
  大学           2人
  地元           3 人
  事務局         1 人
  合計           23人


・林床で飼育中のイモリの状態を調査をしました。

 2016年8月20日変態 5匹 → 10月29日 生存確認 → 12月17日 0匹

 2016年8月20日変態 5匹 → 10月29日 生存確認 → 12月17日 3匹 →そのまま冬眠
 2016年8月20日変態 5匹 → 10月29日 生存確認 → 12月17日 4匹 →そのまま冬眠

 2016年9月11日変態 5匹 → 12月17日 1匹 (小さいのでラボへ移動)
 2016年9月24日変態 2匹(F1) → 12月17日 0匹
 2016年9月24日変態 2匹 → 12月17日 1匹 (小さいのでラボへ移動)
 2016年9月24日変態 5匹 → 12月17日 2匹 (小さいのでラボへ移動)

 2016年10月 4日変態 4匹 → 12月17日 0匹

 2016年10月 9日変態 4匹 → 12月17日 0匹
 2016年10月29日変態 3匹 → 12月17日 0匹

結論:
 1)水田での飼育は10月いっぱい可能である。
 2)8月中に変態したイモリであれば、林床で飼育し、冬眠させることができる。
 3)9月以降に変態したイモリはラボで飼育する。

・冬眠時に凍りつくことがないように、イモリの籠を藁で覆った。


11月20日(日)2016年版いもりの里の昆虫図鑑ができあがりました(山田さん)

ダウンロードはこちら →

 毎年よく見られていたギンヤンマとクロスジギンヤンマが今年は確認できませんでした。
 例年よりも開けた水面が少なくなったせいかもしれませんね。
 また、今年は10月に雨が多かったせいで、その頃普通にみられる昆虫があまり見られませんでした。
 それでも2012年から今年までで552種、今年初認の昆虫は84種でした。



11月13日(日)イベント「スタンプづくり」を開催しました。

  一般         43人(小人:25人  大人:18人)
  市民ボランティア   3人
  大学          1人
  地元          1人
  事務局        1人
  合計         49人



10月16日(日)イベント「収穫祭」を開催しました。

  一般         104人(小人 58人 ・ 大人 46人)
  市民ボランティア   3人
  市役所         4人
  大学          2人
  地域住民       10人
  事務局         1人
  合計         124人



10月2日(日)アライグマの足跡が見つかりました(報告:山田さん)。

入り口すぐの排水溝でアライグマの足跡を見つけました。 足跡が大きいので、成獣と思われます。(まだ1匹らしい)

ミゾソバの花がきれいです。

ウラナミシジミ


10月2日(日)日本経済新聞で筑波大のイモリの再生研究が紹介されました。
 http://www.nikkei.com/article/DGXLZO07886230R01C16A0MY1000/


9月11日(日)イベント「稲刈り」を開催しました。

  一般         62名(子:36・大人:26)
  市民ボランティア  3名
  大学          6名
  市役所        3名
  地元         11名
  事務局        1名
   合計       86名


○レンゲの種を蒔きました。
 
○今年生まれの幼体イモリが見つかりました。籠から逃げたものだと思います。とても元気で、カナヘビのように素早い動きでした。
 隠れていた草むらにもどしました。大きく育ってくれると思います。


8月28日(日)情報誌シンヴィングでいもりの里の取り組みが紹介されました。
 http://www.joso.net/ima/imorinosatokyougikai


8月20日(土)変態した幼体21匹を林床内の飼育籠に移動しました。(千葉)


8月14日(日)BS Japan 未来EYES(夜10時30分〜)でイモリの体再生研究(筑波大)といもりの里の取り組みが紹介されました。


8月7日(日)イベント「星空の下の科学教室&灯火採集」を開催しました。

○「南極のはなしと 地球環境のはなし」
 講師:阿保 敏広 先生(気象庁・高層気象台・観測第一課・課長) 
  南極調査隊に参加された際の貴重な体験談や、南極の動物たち、地球環境のお話を楽しく、わかりやすくしていただきました。
  南極の氷に触れたり、そこに含まれる数千年前の空気のはじける音もきくことができました。
  ありがとうございました。

  一般         34名(子:21・大人:13)
  市民ボランティア  3名
  大学         9名
  地元         2名
  事務局       1名
  その他       4名
  合計       53名


○灯火採集
 講師:八畑・丸尾
 ・千頭康彦:生命環境科学研究科 生物科学専攻 M2
 ・赤石裕美恵:教育研究科 教科教育専攻 理科教育コース M1
 ・小笠原絵美:生命環境系 PD(取手市在住)



7月31日(日)スズメバチトラップが効力を発揮してくれています。(報告:山田さん)


7月29日(金)スズメバチトラップを設置しました。
 旧幼体観察区画内の木くずの山の中に、スズメバチが巣を作り始めましたので、その駆除を始めました。


7月27日(水)いもりの里のスタッフが「アライグマ防除従事者講習会」に参加し、その資格を所得しました。


7月24日(日)いもりの里の様子(報告:山田さん)
 7/23:今年孵ったダルマガエル(3匹)を入り口すぐの草むら溝(水路)で確認しました。
 7/24:いもりの里入り口のかまど近くにツチガエルかヌマガエルと思われる個体を1匹確認しました。私は初認です(体長3cmくらい)。
   ツチ・・かヌマ・・かどちらでしょう?(腹側は見ていません)
 今週土日はツノトンボが入り口付近のセリのある草むら付近で4−5頭発生していました。
 ツノトンボの幼虫は水中ではなく草むらの根ぎわや石の下に潜み、小昆虫を捕らえて食べるそうです。


7月18日(月)イベント「竹水鉄砲づくり」を開催しました。

 一般         75名(子:43・大人:32)
 市民ボランティア  3名
 大学         1名
 事務局        1名
 合計         80名



7月16日(土)アライグマが一頭捕獲されました。


7月 3日(日)幼体専用カゴ#2、#3を林床に設置し、#2に幼体を5匹、#3に3匹入れ、それぞれ飼育を開始。
#1のイモリ3匹は元気に成長していることを確認(林庄内の環境は良さそうである)。


6月20日(月) 取手イモリ系統(Toride-Imori)の受精卵300個が、研究用として、米国マイアミ大学(オハイオ州)に送られました。


6月19日(日)イベント「生物観察会」を開催しました。

講師:八畑、丸尾
・千頭 康彦:生命環境科学研究科 生物科学専攻 M2
・納谷 典明:生命環境科学研究科 環境バイオマス共生学専攻 M1
・山本 鷹之:生命環境学群 生物学類 3年(B3)

  一般       86人(子供 44人 ・大人 42人)
  市民ボランティア  3人
  大学        6人
  地元        1人
  市役所       0人
  事務局       1人
    計      97人

   



6月13日(月)テルモ生命科学芸術財団が提供するサイト「生命科学DOKIDOKI研究室」で
イモリの再生研究やいもりの里の取り組みが紹介されました。
https://www.terumozaidan.or.jp/labo/technology/31/index.html


5月29日(日)イベント「田植え」を開催しました。

参加者: 
  一般      101人(子供 55人 ・大人 46人)
  市民ボランティア  2人
  大学        5人
  地元        9人
  市役所       5人
  事務局       1人
    計     123人

 

*入口近くの木材を積んであるところでイモリが見つかりました。昨年暮れに移入した個体ではありませんでした。
*幼体専用カゴ#1を林床に設置。3匹の幼体を入れ、飼育を開始。


5月8日(日)イベント「どろんこ田んぼ運動会」を開催しました。
参加者:
  一般      84名(子供 46名 ・ 大人 38名)
  市民ボランティア 3名
  大学       2名
  地元      12名
  市役所      3名
  事務局      1名
  ---------------------
  合計     105名

 


5月2日(月)いもりの里の様子(報告:蛯原さん、丸尾)
お昼頃に成体観察区のすぐ外側にいたイモリです。
写真を撮った後、成体観察区の小川に放しておきました。
蛯原さん(奥様)が見つけてくれました。

→このイモリは、昨年11月21日に放した雄28番であることが判明。
これで、イモリが壁を越えて脱走していることが判明しました。
幼体は成体より壁を這いのぼる能力が高いので、これまで観察区に放した幼体の多くは、やはり、壁を超え脱走した可能性があります。


4月30日(土)いもりの里の様子(報告:山田さん)
今日夕方6時頃いもりの里に寄ってみたところ、
猪瀬さんの田んぼの前、最近イベントでイス・テーブルを設置するところに
道のほぼ真ん中で、6−7cmのイモリが干からびていました。
外傷はなかったです。
今日午後は日差しが強かったので、道路の熱で死んだのかもしれません。


4月29日(金)いもりの里の様子(報告:千葉)
成体イモリの観察区内の小川にイモリを確認しました。
少し痩せていましたが、雌でした。


4月17日(日)イベント「もちつき」を開催しました。
参加者:
  一般      51名(子供 30名 ・ 大人 21名)
  市民ボランティア 3名
  大学       1名
  地元      12名
  市役所      2名
  事務局      1名
  ---------------------
  合計      72名

   

4月10日(日)いもりの里の様子(報告:山田さん)

いもりの里のアカメヤナギの田んぼでタイコウチを見つけました。
なお、ミズカマキリは2012年7月に一度アオミドロの池で目撃して以来一度も見ていません

オタマジャクシがいるのかどうか気になったので、ネットを張ったマコモの池の泥を2-3か所掬って見ました。
オタマジャクシ(2cm)が1匹見つかりました。
それよりも圧倒的に数が多いのが、アカムシとミズムシ(ワラジムシ目)、
また小さいアメリカザリガニも結構います。
奥の池は富栄養化が進んでいるようですね。


4月8(金)--9日(土)シイタケ栽培で使用した古いホダ木をいもりの里に搬入しました。
イモリ幼体の餌と隠れ家を確保するためです。
(大溝さんのご尽力のおかげです。ありがとうございました)

3月27日(日)イベント「イモリの学習会」を筑波大で開催しました。

参加者:
  一般    : 54人(子ども 33人 ・ 大人 21人)
  ボランティア:  2人
  大学     :  7人
  事務局   :  1人
  ---------------------
  合計       64人



3月21日(土)いもりの里の近所でイモリ(メス、約8cm)が見つかりました。

近所の方が持ってきてくれました。ワラの中にいたそうです。
柳の木の田んぼに放しておきました。(報告:山田さん)

このイモリは、腹の模様から、昨年の稲刈り時に見つかった2匹や、11月21日に導入した60匹とは別の個体でした。
3月5日(土)イタチが一匹罠にかかりました(報告:山田さん)。
市役所の皆さん、お願いします。
観察区内では、まだ冬眠から覚めたイモリは確認されません(千葉)。



2月28日(日) イベント「野鳥観察会」を開催しました(講師:山田さん)。

参加者:
  一般       30名
  市民ボランティア 3名
  大学       1名
  ---------------------
  合計       34名

野鳥観察会資料はこちらからダウンロードできます(作成:山田さん)。


2月27日(土) アライグマが一頭罠にかかりました(報告:山田さん)。
市役所の皆さん、ありがとうございます。

まだ、何頭かいるようです。引き続きよろしくお願いいたします。

2月21日(日) いもりの里の調査を行いました(山田さん)

・先週まで水が干上がっていた栗の木の池にも水が7割方溜まっていました。
・昨年と同じ池にアカガエルの卵が2塊ありました(写真)。昨年より一週間ほど早いようです(昨年は2月28日に確認)。
・アライグマ用トラップが2か所に設置されていました(写真)。市役所の皆さん、ありがとうございます!
・メダカは元気です。今日も群れて泳いでいました。
・今冬、いもりの里の鳥の種類は少ないようです。暖冬のせいかもしれません。
 通常なら出てもよいはずなのにまだ確認できていない鳥:カワセミ、ルリビタキ、シメ、
 またこの2年ほど、キセキレイ、ウソも姿を見せません。理由はわかりません。




1月31日(日)イベント「デイキャンプ」を開催しました。

参加者:
一般        26名(子ども 18名 ・ 大人 8名)
市民ボランティア   3名
大学         1名
事務局        1名
-----------------------
合計        31名

 


1月16日(土)2015年版いもりの里の昆虫図鑑ができあがりました(山田さん)

ダウンロードはこちら →



いもりの里の調査をしました(山田さん)
通路にアライグマの足跡がたくさん付いていました。
イモリが捕食されないように監視が必要です。
市役所にもあらためて駆除をお願いしました。