イモリを育てる 2023年の活動   最新の活動状況はこちら
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始動!「いもりの里」事業

  研究・教育用アカハライモリの大規模養殖/谷津田・里山環境の復元の試み「いもりの里」事業が茨城県取手市で始動しました。 

[背景と経緯]
  里山に囲まれた谷合いの湿地(谷津田)は、かつては水田として利用されていましたが、農機具の導入が困難な上、絞り水(冷たい湧水)のため稲の生育に適さず、多くが耕作放棄地となっています。近年、谷津田は絶滅を免れた希少生物の隠れ家として注目されるようになり、コメ生産の場からサンクチュアリへとその位置づけが変わりつつあります。しかし、産業廃棄物の不法投棄は止まず、埋め立てによる駐車場/宅地化の危険にもさらされています。こうした現状の中、都市行政や地域住民は、これを如何に防ぎ、如何にして谷津田・里山の自然を『地域の宝』として復元し次世代に継承していくか、これらの課題の解決に向け方途を模索しています。茨城県取手市も例外ではありません。取手市には貝塚地区と高井地区に広大(24ha超)な谷津田・里山があります。
  井守(イモリ)は、谷津田に生きる水棲動物の代表であり、生命科学の教育や研究において極めて有用な実験動物です。しかし、生息数は減少し、2006年に準絶滅危惧種として登録されました。このため、如何にして今後研究・教育用イモリを安定的に確保するかが緊急の課題となりました。イモリネットワークは、課題解決に向けてイモリの保護・保全活動を開始するとともに、研究・教育用資源化(バイオリソース化)に向けて野外での大規模養殖の可能性を模索し始めました。
  イモリネットワーク・筑波大グループは2007年から取手市・NPO法人・次世代教育センターと連携し、イモリを題材にした生命環境科学教育「いのちの話」を行ってきました。その縁もあり、取手市に研究・教育用イモリの養殖を前提とした谷津田・里山の復元・維持構想(仮称「いもりの里」構想)を提案いたしました。すなわち、基盤整備以前(昭和40年代)の谷津田・里山環境を復元し、  そこで研究・教育用アカハライモリ(Cynops pyrrhogaster)を養殖するという構想です。
近年、谷津田・里山の保護・保全の取り組みが広がりを見せ、かつての動物(メダカ、ゲンゴロウ、ホタル、タガメ、ドジョウなど)も水辺に戻りつつありますが、残念ながらイモリの姿はありません。取手市でも未だイモリの姿は確認されておらず、一方でアメリカザリガニなど特定外来生物による生物相の貧困化が進んでいます。すなわち、イモリを養殖するとは、こうした悪条件の中、上質の自然環境を人力で復元する試みに他なりません。これには、我々学術サイドの知恵と経験、地域住民・ボランティア、行政の連携・協力が不可欠です。
  我々は2度の住民説明会と市民公開講座「井守から見る生命の不思議(2009年2月21日)(筑波大学・大学院生命環境科学研究科・研究プロジェクト経費による支援)」を開催しました。そして、住民・地権者の協力の下、事業計画案も定まり、2009年10月28日に取手市に住民協議会「いもりの里協議会」が設置され、計画がいよいよ始動しました。
  なお、イモリ養殖池事業は文部科学省・科学研究費補助金(21300150; 24240062)、筑波大学・社会貢献プロジェクト(平成21年度〜)、取手市一般公募補助事業(平成22年度〜)等において支援されております。

 いもりの里の2023年度、年間行事予定里でのイベントを再開します



12月17日(日)イベント「クリスマスリースを作ろう」は中止になりました。


12月13日(水) 山田さんの報告

イノシシが地面を掘り返した跡がありました。
幸いなことにそれほど大規模ではなく、畔も壊されてはいませんでした。
足跡の長径は5cmほどと比較的小さな個体と思われます。




11月19日(日)イベント「デイキャンプ」を開催しました。

参加者
 ・一般             2名(大人 2名)
 ・地元             1
 ・市民ボランティア     2
 ・大学            1
 ・他(大学卒業生)      1
 ・事務局           1
  合計            8


   




10月22日(日)地元いがっぺ農家塾の収穫祭「芋ほり」に参加しました。


   



10月15日(日)イベント「収穫祭」は雨のため中止になりました。



9月17日(日)イベント「稲刈り」を開催しました。

参加者
 ・一般       11人(子ども 5人/ 大人 6人)
 ・市民ボランティア  3人
 ・地元        6人
 ・市役所       7人
 ・大学        7人
    以下の筑波大学大学院生5名を含む
    志賀 翔太 生物学学位プログラム(D3)
    安藤  凌 生物学学位プログラム(D2)
    佐々木 翼 生物学学位プログラム(M2)
    渡辺 成美 生物学学位プログラム(M1)
    村上 友理 生物学学位プログラム(M1)
 ・事務局       1人
  合計       35人


     

*カゴの中で成長した幼体2匹を山に放しました(カゴの中には他に個体はいませんでした)。
*カゴを全て水田から出し、洗浄・乾燥しました。
今年度の水田での幼生飼育は終了しました。



8月6日(日)イベント「星空の下の科学教室」&「灯火観察」を開催しました。

「星空の本の科学教室」
  講師:出川 洋介 先生(筑波大学 山岳科学センター 菅平高原実験所)
  「うんこに生えるキノコやカビ!―縁の下の力持ち、菌類のお話し―」

「灯火観察」
  スタッフ
  宮田 将斗 筑波大学 生物学類 3年
  舩橋 美月 筑波大学 生物学類 4年
  安富 将吾 筑波大学 生物学類 3年
  藤井 貴裕 筑波大学 生物学類 2年

 参加者:
  ・一般       11名(子ども 5名 / 大人 6名)
  ・市民ボランティア  2名
  ・地元        1名
  ・大学       10名
  ・事務局       1名
   合計       25名








・飼育籠の中の変態した幼体イモリ20匹を山裾に放しました。(報告:千葉親文)
・幼生30匹を水路に放流しました。

  志賀 翔太 生物学学位プログラム(D3)
  安藤  凌 生物学学位プログラム(D2)
  佐藤 理央 生物学学位プログラム(M1)
  村上 友理 生物学学位プログラム(M1)





7月8日(土)幼生を227匹、飼育カゴの外の水路に放流しました。(報告:千葉親文)


6月18日(日)イベント「土壌生物観察会」を開催しました。
参加者:
  ・一般       10人(子ども 4人・大人 6人)
  ・市民ボランティア  2人
  ・地元        1人
  ・大学        2人
  ・事務局       1人
   合計       16人


アキアカネ

二ホンアマガエル



・5月21日に持ち帰った親イモリを返しました。(報告:千葉親文)
 自然産卵と卵の発生だけを確かめて返すことにしました。
・親イモリの子ども(幼生)12匹と、この日の朝に産んだ卵1個を飼育カゴに放しました。
 (卵は参加者さんと発生を観察しました)
・カゴで育った幼生3匹を里親に出しました。


5月23日(火) 実験室に持ち帰ったイモリが12個の受精卵を自然産卵しました。(報告:千葉親文)
この時期が繁殖と産卵の時期に当たることがあらためて示されました。



5月21日(日)イベント「田植え、田んぼの生き物観察」略式開催
参加者:
 ・一般        6名(子ども 2名、大人 4名)
 ・市民ボランティア  3名
 ・地元         1名
 ・大学         4名(うち2名は千葉親文ラボの大学院生:M1. 村上 友理、M2. 佐々木 翼)
 ・事務局      1名
  合計       15名




イモリの生息調査をしました。
大きなメス2匹が見つかりました。
右の写真のイモリは、2022年5月22日に見つかったイモリでした(2022年のページの、5月22日の最初の写真)。
この個体を実験室に持ち帰り、受精卵を用いた再生研究(遺伝子組換え実験:承認番号220125)に挑戦します。
左の個体は初めて見つかりました。


大きなオス8匹が見つかりました。
すべて初めての個体でした。



幼生を40匹、飼育カゴに放しました。



5月14日(日)イベント「どろんこ田んぼ運動会、田んぼの生き物観察」荒天のため中止



4月30日(日) イモリの幼生53匹を飼育カゴ付近に放流 (報告:千葉親文)



4月1日(土) いもりの里の様子 (報告:千葉親文)

1)イモリの幼生204匹を、6つの飼育カゴに、それぞれおおよそ同じ数になるように分けて、入れてきました。
これらはイモリの学習会の卵から孵化した幼生です。

2)これからイモリが集まりやすいように、昨年と同様に、飼育カゴを設置した池の周囲の用水路の泥上げをいたしました。
その際、池の下流側の水路でメス2匹を捕獲しました(添付の写真)。大きい雌と少し小さな若い雌です。
今年も期待できそうです。

腹の模様から、大きい雌(中央の写真)は、昨年の5月22日に採集した個体でした。5月22日の6枚目の写真の個体です。
小さめの雌は、初めて見つかった個体です。


3)山の竹が根元から折れ、飼育池に覆いかぶさっていたので、切って、竹が3本並べてある山側の歩道に同じように並べておきました。

4)ザリガニがほとんどいませんでした。メダカもドジョウも見当たりませんでした。
カエルは賑やかでしたが、卵やオタマジャクシは見かけませんでした。


3月14日(火) いもりの里の様子 (報告:丸尾文昭)
いもりの里はこぶしの花がきれいです。
カエルの産卵する田んぼにはもう水が十分入っていました。
送水は以前のように勢いよく出るようになっています。


3月11日(土) いもりの里の様子 (報告:山田さん)
田んぼも奥の池もどこも水が枯れていましたので、ポンプを作動させました。



3月5日(日) イベント「イモリの学習会」を筑波大学で開催しました

参加者:
 ・一般       22名(大人 6名 / 子ども 16名)
 ・市民ボランティア  2名
 ・地元        2名
 ・大学        9名
 ・事務局       1名
  合計       36名