イモリを育てる 2014年の活動 (最新の活動はこちら
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始動!「いもりの里」事業

  研究・教育用アカハライモリの大規模養殖/谷津田・里山環境の復元の試み「いもりの里」事業が茨城県取手市で始動しました。 

[背景と経緯]
  里山に囲まれた谷合いの湿地(谷津田)は、かつては水田として利用されていましたが、農機具の導入が困難な上、絞り水(冷たい湧水)のため稲の生育に適さず、多くが耕作放棄地となっています。近年、谷津田は絶滅を免れた希少生物の隠れ家として注目されるようになり、コメ生産の場からサンクチュアリへとその位置づけが変わりつつあります。しかし、産業廃棄物の不法投棄は止まず、埋め立てによる駐車場/宅地化の危険にもさらされています。こうした現状の中、都市行政や地域住民は、これを如何に防ぎ、如何にして谷津田・里山の自然を『地域の宝』として復元し次世代に継承していくか、これらの課題の解決に向け方途を模索しています。茨城県取手市も例外ではありません。取手市には貝塚地区と高井地区に広大(24ha超)な谷津田・里山があります。
  井守(イモリ)は、谷津田に生きる水棲動物の代表であり、生命科学の教育や研究において極めて有用な実験動物です。しかし、生息数は減少し、2006年に準絶滅危惧種として登録されました。このため、如何にして今後研究・教育用イモリを安定的に確保するかが緊急の課題となりました。イモリネットワークは、課題解決に向けてイモリの保護・保全活動を開始するとともに、研究・教育用資源化(バイオリソース化)に向けて野外での大規模養殖の可能性を模索し始めました。
  イモリネットワーク・筑波大グループは2007年から取手市・NPO法人・次世代教育センターと連携し、イモリを題材にした生命環境科学教育「いのちの話」を行ってきました。その縁もあり、取手市に研究・教育用イモリの養殖を前提とした谷津田・里山の復元・維持構想(仮称「いもりの里」構想)を提案いたしました。すなわち、基盤整備以前(昭和40年代)の谷津田・里山環境を復元し、  そこで研究・教育用アカハライモリ(Cynops pyrrhogaster)を養殖するという構想です。
近年、谷津田・里山の保護・保全の取り組みが広がりを見せ、かつての動物(メダカ、ゲンゴロウ、ホタル、タガメ、ドジョウなど)も水辺に戻りつつありますが、残念ながらイモリの姿はありません。取手市でも未だイモリの姿は確認されておらず、一方でアメリカザリガニなど特定外来生物による生物相の貧困化が進んでいます。すなわち、イモリを養殖するとは、こうした悪条件の中、上質の自然環境を人力で復元する試みに他なりません。これには、我々学術サイドの知恵と経験、地域住民・ボランティア、行政の連携・協力が不可欠です。
  我々は2度の住民説明会と市民公開講座「井守から見る生命の不思議(2009年2月21日)(筑波大学・大学院生命環境科学研究科・研究プロジェクト経費による支援)」を開催しました。そして、住民・地権者の協力の下、事業計画案も定まり、2009年10月28日に取手市に住民協議会「いもりの里協議会」が設置され、計画がいよいよ始動しました。
  なお、イモリ養殖池事業は文部科学省・科学研究費補助金(21300150; 24240062)、筑波大学・社会貢献プロジェクト(平成21年度〜)、取手市一般公募補助事業(平成22年度〜)等において支援されております。




12月29日(月)2014年にいもりの里で観察された昆虫たち(撮影:山田利光)
12月23日(日)イベント「クリスマスリース作り」を開催しました。
<2015-02-13掲載>
11月30日(日)イベント「花炭づくり」を開催しました。

参加者
一般     27人(子ども:13人 大人:14人)
ボランティア  3人
大学      2人
事務局     1人
合計     33人

<2015-02-13掲載>
10月19日(日)イベント「収穫祭」を開催しました。

参加者
一般       33人(子ども:17人 大人:16人)
市民ボランティア  4人
市役所       3人
大学        2人
地元       12人
事務局       1人
合計       55人

<2015-02-13掲載>
9月27日(土)イモリの再生研究やいもりの里の取り組みが、日本農業新聞「ぽぽるーる てんこ森」で紹介されました。
<2014-10-07掲載>
2014年9月21日(日)イベント「稲刈り」を開催しました。

参加者
   一般       51名(子供:31名 大人:20名)
   市民ボランティア  3名
   市役所       5名
   地元        9名
   大学        3名
   事務局       1名
   合計       72名

 

*イモリの様子
 イモリがすくすく育っています。幼体の行動観察区画は、幼体の生育に良さそうです。
1)水田にイモリがいました。(写真 1)
2)幼生がどんどん変態しています。(写真 2)
3)幼体観察区画内のイモリは元気そうです。(写真 3)
  (何故か、成体イモリも紛れ込んでいました。どこから侵入したのか調査する必要あり)
(写真 1) (写真 2) (写真 3) 


*平 明嘩(ひら あすか)さん(小4)がイモリを上手に育ててくれました。

これらは2011年2月に筑波大で開催したイベント「いもりの里親になろう」の際に持ち帰った卵から育てたイモリ(3歳;すべて雌)です。
同じ時のイモリは、筑波大の千葉親文研究室でも飼われており、すでにかれらの子どもたちが育っています。
平さんのイモリは、これらのイモリたちと一緒にしばらく飼ってみることになりました。子どもが生まれたら嬉しいです。

<2014-10-07掲載>

2014年8月10日(日) 雨のためイベント「灯火採集・星空の下の学習会」は中止になりました。

*成体の行動観察区画を改変するとともに、幼体の行動観察(飼育)区画を山際に設置しました。
(図:kansatsuku8102014 )

<2014-08-19掲載>
2014年8月 2日(土) 作業を行いました。
変態した幼体イモリの行動観察用のケージづくりをしましたが、
ケージ内の水温や気温が予想以上に高く、個体が衰弱してしまうことが分かったため、
作業を中止し、ケージの様式や場所の再検討をすることにしました。

<2014-08-19掲載>
2014年7月31日(木) ザリガニ100匹駆除(報告:大溝さん)
子ザリガニが増え始めています。












<2014-08-19掲載>

2014年7月27日(日) 小イモリ2匹が変態(報告:千葉)
1ヶ月齢のイモリ幼生を5月初めに移しましたので、
約4か月で変態した計算になります。これは、実験室内より1ヶ月ほど早いことになりますので、
屋外飼育はやはり効率が良いことがわかります。
これから変態する個体が増えてきますので注意が必要です。
今後、幼体が成長できるかどうかが問題なので、彼らの行動を追跡できるようにしないといけません。

それと、ザリガニが明らかに増えてきているので、徹底した駆除が必要です。

(報告:山田さん)
入り口すぐの池になりかけの水たまりでザリガニを20匹強捕獲してカゴに入れておきました。
また、水が干上がった時のメダカの避難用に一部分だけ少し深くしておきました。

ザリガニを網で捕獲したときヤゴや小さなドジョウも採れました。他にハイイロゲンゴロウ、ヒメガムシ、コミズムシ等、この水たまり結構多様です。
新しい田んぼの周りのアカメヤナギの木は先週の梅雨明け(21日)以来、カブトムシ、カナブン、クロカナブン、ノコギリクワガタ、アカボシゴマダラ、ゴマダラチョウなど大賑わいです。ウチワヤンマ、オオゾウムシ(2cm程)、コシロシタバ(たぶん)(環境省RDBで準絶滅危惧種)、ヤマトアブなど新顔も確認できました。
なお、アオスジカミキリが入り口近くのネムノキにとまっていました。きれいなカミキリムシなのですが、ネムの木を食害するそうなので、来年春頃まで注意が必要ですね。
また、マコモの池には今年ホソミドリウンカが大発生しています。そのせいかマコモは元気がないです。


アオスジカミキリ

カブトムシなど

コシロシタバ

ウチワヤンマ
 
<2014-08-19掲載>

2014年7月22日(火) ザリガニ150匹駆除(報告:大溝さん)
2014年7月16日(水) イモリ逃亡防止網を修理しました(千葉)
2014年7月12日(土) イベント「ザリガニ釣り大会」を開催しました。
1000匹以上を捕獲しました。

参加者
   一般       66人(子ども 38人 ・ 大人 28人)
   市民ボランティア  3人
   大学        2人
   地元        2人
   事務局       1人
   合計       74人

 

イモリ逃亡防止網の底に穴があいていました(大溝さんの報告)。

<2014-08-19掲載>
2014年6月21日(土)網を全面にはった新たな籠を設置し、幼生を中に放しました(千葉)。
<2014-06-27掲載>
2014年6月19日(木)筑波大でNHK Eテレ番組用のイモリの撮影が行われました。
<2014-06-27掲載>
2014年6月15日(日)イベント「土壌生物観察会」を開催しました。
土壌の微生物をツルグレン装置で採集し、皆で観察しました。微生物の種類から土壌の状態が良好かどうか調べました。
講師:八畑謙介先生と研究室のみなさん

参加者
  一般        10人(子ども 5人 ・大人 5人)
  市民ボランティア  1人
  大学         6人
  地元         3人
  事務局       1人
  合計        21人

注:入り口付近の火を焚いているドラム缶の近くの水溜りに、またイモリがいた。
  籠の中の幼生は元気だった。増水時に流れた幼生も、多数が籠の近くに留まっており、大きく成長しているようだった。
 

<2014-06-27掲載>
2014年6月8日(日)いもりの里の調査をしました。(報告:千葉)
・全ての池にあふれるほど水が溜まっていたが、田んぼや稲はいい状態に見えた。
・入り口付近の平地にも水が溜まっており、よく見ると地面から水が湧いてた。
・行動観察区画内の水の中でイモリが2匹、気持ちよさそうに泳いでいるのが確認できた。
・驚いたことに、入り口付近の火を焚いているドラム缶の近くの水溜りに、またイモリがいた。
行動観察区画内に入れたが、こう頻発すると、かえって区画に入れてよいものか考えてしまう。
見つかるイモリが毎回違うことから、もしかすると、これまでに放流してきたイモリが周囲の山に生息していて、
雨の日などに山から下りてきているのかもしれない。イモリは変態後3年くらいは陸上生活すると考えられていることから、
周囲の山で成長している可能性もある。
・籠に入れた幼生は、一部は増水のため溢れた水にのって逃げてしまったようだが、多くは無事だった。
・全面に細かな網を貼った籠がよさそうなので、量産する。
・幼生は、ミジンコが豊富なので、黒々と大きく育っていた。
小さな籠の中なのに、水を抜かないとどこにいるかわからないほど泥と一体化していた。
(報告:猪瀬さん)
・霜多ファームさんの入口付近の用水路の橋のあたりで10cmを超えるくらいの腹の真っ赤なイモリが見つかった。
保護して行動観察区画内に戻した。

<2014-06-27掲載>
2014年6月1日(月)イベント「田植え」を開催しました。
参加者
   一般    47人(子ども 30人  大人 17人)
   地元    10人
   大学     9人
   市役所    8人
   ボランティア  2人
   事務局    1人
   合計    77人

   
<2014-06-27掲載>
2014年5月25日(日) いもりの里の調査を行いました(報告:山田さん)
アライグマの足跡がまた目立ち始めました。添付は囲いの中から外へ出た時の足跡


<2014-05-28掲載>
2014年5月24日(土) いもりの里の調査を行いました(報告:山田さん)
オタマジャクシは足が少し生えはじめたものも見られます。
メダカは1cm位の子メダカが確認できました。

 
<2014-05-28掲載>
2014年5月17日(土)18(日) いもりの里の調査を行いました(報告:山田さん)
サラサヤンマを確認しました。


<2014-05-28掲載>
2014年5月 6日(火) イベント「どろんこ田んぼ運動会」を開催しました。
   参加者:
       一般      44名(子ども 29名 : 大人 15名)
       市         5名
       大学       4名
       市民ボランティア  2名
       地元       7名
       事務局      1名
       合計      63名

 
<2014-05-28掲載>
2014年5月5日(月) 「どろんこ田んぼ運動会」の準備を行いました(丸尾、地元協議会)。
<2014-05-28掲載>
2014年4月13日(日) イベント「おもちつき」を開催しました。
   参加者:
      一般      27名(こども 17名 ・ 大人 10名)
      市         7名
      地元      14名
      市民ボランティア 3名
      大学       2名
      事務局      1名
      合計       54名

 
<2014-05-28掲載>
2014年4月12日(土) いもりの里の調査を行いました(報告:山田さん)
1. 田んぼのへの排水受けカゴの中にバケツ1杯のザリガニ(2cm-3cm)やドジョウ(十数匹)に加え、イモリ(7-8cm)が2匹混じっていました。
2. 行動観察場の排水路に設置してある逃亡防止用金網の折り返しの部分にイモリが入り込んで「干物」になっていました。
3. アライグマは相変わらず出没しているようです。
  イモリ観察場の黒い囲いに入り込もうとして足をかけたような跡が残っていました。
  昨年から足跡を継続して観察していますが、アライグマは行動観察場(黒い囲い)の排水側の水路辺りに頻繁に現れるようです。出現ルートですが、足跡から見ると奥の林ではなく、いもりの里の入り口方面からヤナギの木の生えている辺りを通って、やって来るのではないかと推測されます。 
4. 今年も夏のタカ、サシバがやってきました。いもりの里上空をつがいで飛行していました。

<2014-05-28掲載>

2014年3月30日(日)小雨 いもりの里の調査をおこないました(千葉、猪瀬さん)
1) 行動観察用のケージ内でイモリを2匹(いずれも雌)を見つけました。
いずれも陸地の草の間を歩いていました。ふくよかで元気そうでした。
2)里の出水口の網を修理しました。
3)猪瀬さんの田んぼ脇の側溝内の、逃亡防止籠の近くのもんどり内にアズマヒキガエル(ガマガエル)を見つけました。
明らかにヒキガエルだったので、いつも卵を産んでいる奥の池に返しました。雄ではないかと思います。まさに四六のガマでした。 
ザリガニと一緒にもんどりの中に入っていましたが、傷もなく、きれいでした。最近入ったのではないかと思います。
4)メダカが里の上の方にもみられるようになりました。水が温んできているのかもしれません。
5)行動観察場近くのホースが修理されており、水の供給もいい具合に戻っておりました(丸尾先生、ありがとうございます)。

<2014-03-31掲載>
2014年3月29日(土)いもりの里の調査をおこないました(山田さん)
1) 春の花が一気に咲き始めました。

2)イモリは見られませんでした(10-12時)。
3)小さなザリガニに加えて中くらいのが目につくようになってきました。
<2014-03-31掲載>

2014年3月23日(日)晴れ いもりの里の調査をおこないました(千葉、山田さん)
1) 霜柱や氷はありませんでした。水も冷たくなく、土手には花が咲き始めてました。春って感じでした。
ヘビイチゴはちらほら咲きですが、オオイヌノフグリは満開。ただしコブシはまだつぼみのままです。
ヒメギスの幼虫がたくさんいましたし、冬越ししたヒシバッタやルリタテハなども見られました。
2)田んぼからヤナギの木へ流れ出る浅瀬にメダカが10匹以上群れていました。タニシも元気でした。
3)カエルの卵は確認できませんでした。しかし、入り口の芦原付近でカエルの鳴き声がしていました(冬眠から覚めたようです)。
4)イモリの行動観察場にイモリは見えませんでした。しかし、逃亡防止網内に雄イモリを見つけました(冬眠から覚めたようです。婚姻色あり)。
逃亡防止網内には大きなドジョウ(たぶん雌)も入っていました。イモリとドジョウは行動観察場の柵の中に放しました。
行動観察場のイモリは、出水側の網の目が一時期大きかったため、一部は逃げたものと思いますので、今回のイモリがいつ移入した個体かは何とも言えません。
いずれにせよ、カエルやイモリが冬眠から覚めて行動を始めているようです。大内さんの話では、千葉県鴨川市ではすでにカエルが卵を産んでおり、これを食べにイモリが起き出しているそうです。
5)行動観察場側の水量が少ないようです。下流の水路の水が赤茶けてきています。赤茶けた水にイモリはいないそうです(大内さん曰く)。
急いでホースの漏れを補修した方がよいと思います。
6)水路や水田内に子ザリガニはほとんど見かけませんでした(カワセミ様様です)。が、大型のザリガニが穴から出始めています。
<2014-03-31掲載>

2014年3月9日(日) イベント「いもりの学習会」を開催しました。
1) イモリの再生研究と再生医療の違い・STAPやiPSとの違い
  「なぜイモリは再生できて、ヒトはできないのか」
2)イモリの発生や飼育法・・・イモリの里親募集します。
講師 筑波大学・再生生理学研究室 (ラボ長:千葉 親文)     
協力・支援  筑波大学社会貢献プロジェクト・取手市まちづくり振興部 

参加者
子ども 7 名
大人 15 名
合計 22 名

 
   
<2014-03-20掲載>

2014年2月16日(日) イベント「いもりの里の観察会」を開催しました。

参加者
子ども 7 名
大人 7 名
合計 14 名

前日は一面雪が積もって、池も凍っていました。いもりの里の入り口もほとんど池のようになっていました。
冬眠から起き出してきたイモリが突然の寒波のため凍死してしまったようです。

     
<2014-03-20掲載>

2014年1月26日(日) イベント「鳥の観察会」を開催しました。
  一般     11人(子ども 6人  大人  5人)
  ボランティア 4人
  大学      2人
  事務局    1人
  合計     18人

*カワセミのおかげで、ザリガニがほとんど見かけなくなりました。それに伴いカワセミは猟場をかえたようです。
<2014-01-30掲載>

2014年1月24日(金)いもりの里で度々目撃されてきた野犬を捕獲するため、罠が設置されました(取手市)。
<2014-01-30掲載>

2014年1月18日(土)モズに「はやにえ」にされたイモリが見つかりました。
<2014-01-30掲載>

2014年1月14日(火)-20日(月)アライグマ用の罠が設置されました(取手市)。
<2014-01-30掲載>

2014年1月13日(日) 草刈りをしました(丸尾)。
<2014-01-30掲載>

2014年1月12日(土) アライグマ(?)の足跡が見つかりました(報告:山田さん)。
<2014-01-30掲載>

2013年1月3日(金)カワセミがザリガニを食べてくれることがわかりました(報告:山田さん)。
<2014-01-30掲載>